三度建てても後悔する。そういわれるほど、家づくりは難しい。
我が家の土地は条件付きの土地つまり家を建てる工務店が決定している土地だった。
夫の両親が準備してくれたその土地に、そのような条件があるとは知らずに、モデルルーム見学に足を運び、理想のマイホーム作りに没頭していた。
住友林業が好みだな。
でも、地方の田舎で建築できるのかな?
その心配が無用だと知った時は絶句した。ショックだった。泣いた。
え?あの、おじさんしかいない、センスのかけらもない、地元工務店で?
私、家を建てないといけないの?
スタートからつまづいている。
土地代がいらないことは恵まれている。
だけど、その恩恵が吹き飛ぶほど、若かった私は途方に暮れた。
理想の家づくりにするために
インテリアコーディネーターをつける
おしゃれ感ゼロの工務店で、理想の家ができるとは、思えなかった。
田舎の地元密着型の工務店。落ち込む私にタイミング良く、救いの手が差し出された。
運が良かった。同じく建築中の知り合いが、インテリアコーディネーターを紹介してくれたのだ。
工務店側からしたら、歓迎ではなかったはず、そこをしぶしぶでも承知してくれたことに感謝はしてる。
工務店と施工主の間に立つ人、こちらの言い分を分かりやすく工務店に伝えてもらう。
素人の施工主が、専門分野に立ち入ることは、言葉の選び方から難しく、うまく伝わりにくい。
「言った」「言わない」の言い争いにならないように、両方の言い分を配慮し、色々な問題を解決してくれる橋渡し的な役目を担いながら、私の希望の家づくりに全力を尽くしてくれる人。
この人との出会いがなかったら、悲惨なことになっていただろう。
現場に足を運ぶ
当時、私は妊娠中だったが、大きなおなかを抱え、現場に足を運んだ。
二階のチェックに、はしごを上ったこともある。現場に行くのは、大工さんへのプレッシャーにもなり、まかせっきりではなく、きちんと見てますアピールができる大事なこと。
自分家だから、呼ばれなくても、現場の様子は気になるけど。
昔から、釘一本のところを2本打ってくれるという逸話があるように、現場と施工主との信頼関係は必要。
見張られている感を出して、大工さんの気を引き締めてもらう。
インテリアコーディネーターの実力
担当した物件の見学
インテリアコーディネーターさんの作品ともいえる、関わった方の家の見学に連れて行ってもらった。
当時は珍しく、壁にステンドグラスを入れたり、トイレの手洗い器も、既製品ではなく、窯元に焼いてもらった器に穴をあけて、手洗いボールにしたり、センスが溢れている家が多かった。
私の理想に近く、とても魅力的だった。
ハウスメーカーの標準設備が苦手な私は、これが求めているものだと感動した。
インテリアコーディネーターさんに家づくりのお手伝いを依頼したことを後悔させなかった。
もちろん、金額は発生するけど、かなり良心的だったと思う。
条件として、完成したら、私が見させてもらったように、家の見学をお願いされた。
都会ではお洒落な建築家は、たくさんいるけれど、地方ではハウスメーカー、決まりきったオプションから選ぶのが主流だったから、自分好みにできることに、ワクワクが止まらなかった。
全部のドアを手作りすることは、予算もあり断念したが、
キッチンのアイランドカウンター
トイレのドア
はオーダーにして、自分らしさを出すことができた。
展示会で住宅機器の決定ー注意点
家づくりは、とにかく決めることがたくさんある。それが楽しい部分であり大変でもある。
壁は珪藻土、床は無垢材にするとか、カーテン、照明、キッチンや浴槽、洗面台、トイレなど、迷う暇はないほど、選択を迫られる。
そして、自分の思いだけで押し切ると後悔する。
キッチンの天板にタイルはやめよう
とにかく、タイルが大好きで、キッチンの壁だけでは物足りず、天板にタイルを指定した。
私が愛読書の雑誌には、タイル張りのキッチンが紹介されていた。きちんとメンテナンスができる人の選択だと気付けなかった。
カビに悩まされることを想定しなかったわけでもなかった。
雑誌の世界と現実は違うのに。
周囲がもっと強く反対してくれたら・・・
聞かなかったのは私だけど。一応家族があり、夫もいるけど、全ての選択権は私にあった。
自分が決めたことで、一番後悔している部分。
天板はフラットに限る。
今ならステンレス一択なのに。
リフォームしたい・・・
浴室選びは、そうじのしやすだけ
キッチンと同じく、風呂場の壁も
タイル風にしてしまった。
キッチンほどのモザイクタイルではないけれど、目地もあるし、そこにカビが生える。
フラットなタイプも選べたはずなのに。
お風呂の掃除が一番嫌いな私はさらなる過ちをする。
大きな鏡をつけたのだ。これが、掃除をさぼると、すぐにわかる。
暇な時間ができた現在は、お掃除チェック表なるものを作り、サボらないように気を付けている。
こまめに掃除をするようになったけど。
お風呂の鏡だけは、きれいにならない。
うろこ垢で埋め尽くさている。
掃除の面だけでいうと、鏡はいらない。
とにかくそうじのしやすさだけを考えて選ぶ場所が浴室だ。
こだわりの素材を見つける
まあまあ、失敗を重ねてはいるが、住宅設備の展示会で、タイル好きな私に、紹介してくれたものが、「ピッキ」と名のついたクリアなモザイクタイル。
たくさん取り入れたかったが、インテリアコーディネーターさんに、少しだけ使おうね、と言われて、手作りの洗面台に、気持ち使われた。
これが大工さん泣かせだったことは、後に聞いた話である。
アンティークショップで買ったもの
インテリアコーディネーターさんは、アンティーク好きな私のために、お洒落なカフェや、ショップにも連れていってくれて、私は楽しくて仕方がなかった。
アンティークは、まあまあ高価だし、ほとんど目の保養だったけど、壁に埋め込みインテリアとしてお気に入りのステンドグラスを購入できた。
これが、一番のお気に入りだ。
インテリアコーディネーターの実情
インテリアコーディネーターの職業は、学歴は関係なく、資格を取ればなれるけどセンスがなければ務まらない仕事。手軽そうだけど、
誰もが目指していいものでもない。
カタカナの職種はカッコイイけど、住む人に寄り添う事が大切で、自分の好みを押し付けてもいけない。
当時の私は、南欧風、フレンチカントリーがテーマで、インテリアコーディネーターさんは、
そんな私の「好き」に寄り添ってくれた。実はインテリアコーディネーターさんの好みは和風だったりするわけで、実際、古民家住宅も手掛けていた。
インテリアに関する深い知識もさながら、現場の古い?考えのおじちゃんたちとも、なめられることなく、対等に話を詰めないとだし、価値観を共有しないと、良い家づくりはできないのだから、やはり大変な仕事と言える。
センスはもちろん、現場の大工さん並みの体力も必要だろう。
まとめ
リノベ(リノベーション)ブームの今。最近まで放送されていたドラマ「魔法のリノベ」は、リノベに興味のある私が、一番楽しみにしていた番組だった。
インテリアコーディネーターの需要は、これからますます増えると思う。残念なことに、工務店からは煙たがられるインテリアコーディネーター。
メーカー所属のインテリアコーディネーターは、仕事の範囲も限らているのが現状。
個人のインテリアコーディネーターとの出会いで、家づくりの満足度も変わる。
センスのある提案をくれる信用できる方との出会いがあれば、家づくりもスムーズにいくはず。
素敵な出会いを・・・
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